ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

 ……どこへ行ったの?!

 天井を見ると、宙に浮くルキくんとナチがお互いに(かま)えの体勢をとっている。

 影から出る青のドラゴンが、牙を剥き出しながら突進していく。

 ガチンッと頭に噛み付いたと思ったら、ナチは煙になって姿を消していた。

「こっちだ」

 ルキくんのとなりに現れて、また避ける。戦おうとしないナチに、ルキくんがしびれを切らしているように見えた。

 大きなシャンデリアに掴まったナチが、大きく揺れながら首に手を当てる。

 黒い三日月の刻印が現れて、そこから紫色の妖気が出てくると、けむりはヘビの形を作り出した。

 ドラゴンとヘビは牙を立てて、同時に飛びかかる。

 まだ外れないくさりに、必死でもがいていると、となりで闘いを見ていたドラレス伯爵が、フッと人差し指の先を吹いた。

 白い粉が舞って……なにをして……?

「ーールキくんッ! うしろッ!」

 声に反応したときには、すでにルキくんの背中を白いバラの花が突き刺していた。

 影のドラゴンは消えて、ルキくんが地面に叩きつけられる。