ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

 ルキくんがさらに前へ出て、見えないように私を背中へ隠した。

「また会えて嬉しいよ。じゃあ、のちほど」

 バイバイと手を振りながら、ほこりと一緒に現れたけむりになって、その人は姿を消した。

 今のは、なんだったの?
 また会えてって、私を見て言っていた。

「アイツはディモラム氏族の吸血鬼だ。ここへ出入りしていると言うことは、黒呪団と繋がっているかもしれない。気を付けた方がいい」

 黒呪団……そうだ、思い出した。首に黒い三日月のタトゥー。

「あの人だよ! 学校で会った、黒い月の人」
「アイツが? 刻印は見当たらなかったな」

 たしかに、さっき現れたときは気付かなかった。でも、間違いなく学校ですれ違った人だ。

「……晩餐会、とか言っていたな。なにを企んでいるか分からない。俺のそばを離れるな」

 深くうなずくと、しっかりと手を取り合った。

 役に立てなくても、足手まといにだけはなりたくない。もしもの時は、黒呪団を倒すことに優先してね。

 心で願った想いに、ルキくんが返事をすることはなかった。