ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

「俺がやるよ」

 銅像の前に立って、ルキくんがじっと天使を見つめる。

 すると、天使の目が赤く光って、ルキくんの瞳に光線が当たった。
 門と同じように大きな音を立てて、扉が開いていく。

「行こうか」

 その様子を見ても、ノエルくんは平然としている。きっと、吸血鬼の世界では日常の光景なんだ。

 城の中は広い通路が続いていて、周りの壁には肖像画や鏡などが飾られている。

 ろうそくの灯りは付いているけど、まばらで薄暗くて正直不気味だ。

 それに、歩く足元が(しも)のように白く光っている。銅像にかかるクモの巣も、はっきり見えるくらいに白い。

 さっきと比べて、ずい分と体がと冷えて来た。

「……ねえ、ちょっと、ここ寒すぎない?」

 両腕をさすりながら、吐く息が雲のように白く残る。それだけ気温が下がっている証拠だ。

「そう? ボクたち、温度って感じないからなぁー」
「吸血鬼の中でも、極めて冷血な奴らのアジトだからな」