ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

 敷地内へ足を踏み入れたとたん、不気味なほど寒気がした。

 黒ずくめのと時とは、比べ物にならないくらい。肌を刺すような、凍りつく空気。

 並んだ気味の悪い銅像に気を取られながら、ぶるっと体を震わす。

「ここ、どこなの? ほんとに、ルキくんがこんなところにいるの?」

 きょろきょろとまわりを見渡しながら、ノエルくんの袖をぐいっと引っ張った。

「パラムシアの果てにある島だよ。あれはカルア・ウンブラと言って、影の城とも呼ばれている」

「カルア……ウンブラ? なんか、お酒の名前みたい」

「表向きは、闇の番人って言われてるルムア氏族が支配してる。でも、今は黒呪団の隠れ家になってるってウワサ」

 聞きながら、ほへえと口が開く。
 横文字がいっぱいで、すぐ忘れそう。

「とにかく、悪い奴をやっつけに来たってことでいいんだよね?」
「……かなり大雑把(おおざっぱ)なまとめ方だけどね」

 黒呪団……魔女を襲った恐ろしき吸血鬼集団。そんなバケモノを倒すことなんて、ほんとに出来るのかな。


「……小嶺?」