ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

 無反応だったドアが、ギギィーと音を立ててゆっくり開く。やれやれと言うように、モラナが入ってきた。

 どうしたら吸血鬼になるのか質問したことも、ノエルくんが血を吸おうとしていたことも、全て聞いていたらしい。

 コホンと咳払いをして、モラナはふんっと鼻を鳴らす。

「人聞きの悪い事を言うでない。これは盗み聞きではなく監視じゃ」
「どっちも変わんないよー。今、すっごくいいとこだったのにー」

 唇をとがらせるノエルくんをモラナがじろっとにらみつける。

「ルキもルキじゃ。こんな用心ならん吸血鬼を護身に付けるとは」
「失礼なおばーちゃんだなぁ」
「おばーちゃんではない! 白魔女のモラナじゃ!」

「はーい、モラナおばあちゃん」

 ヘヘッと愛くるしい笑顔に負けたのか、モラナはそれ以上否定しなかった。

 そのまま私のところへ来て、頬をパチンと挟むと。

「よいか、ジュリ。簡単に心をそそのかされるでないぞ。自分の行動に責任を持つのじゃ。あとで後悔しても遅いからのう」

 それだけ残して、部屋を出て行った。

 モラナの言う通りだ。バカなことは、もう考えないようにしよう。