ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

「誰かを好きになったことって、ない?」
「好き?」
「うん、その子に触れたいとか、一緒にいたいとか」
「ないね」

 ノエルくんは、顔色ひとつ変えなかった。
 感情なんてないみたいに、冷めた目をしている。

「……じゃあ、質問変えるね。吸血鬼は、誰かを好きになること……ないの?」
「ないね」

 真顔で即答されると、なんて反応したら良いのか分からなくなる。

 期待はしていなかったけど、あまりにもダメージが強すぎて、開いた口がふさがらない。

「吸血鬼ってのは、昔から冷酷な生き物なんだよ。学校で教わらなかった?」

 小さく首をふると、ノエルくんはクスッと笑みをこぼす。

「人間だった頃は、そういう感情もあったのかなー。100年以上も昔の事だから、忘れちゃった」

 そんなにも長い年月を生きているんだ。

 10年20年と私が歳をとって、おばさんになっても、ルキくんやノエルくんは今のまま変わらない。

 しわしわのおばあちゃんになっても、彼らは永遠にこの姿のまま。

 私が死んでいなくなったあとも、この世界で生き続けていく。