ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

「そ、そんなバカな……」

 声が小さくなって消えていくと、うずくまってその場に倒れ込んだ。
 苦しむ優希ちゃんの姿から、本来の顔へ戻っていく。

 群がっていた狼たちが喰らい付こうとするけど、ひときわ大きな狼の遠吠えでぴたりと止まった。

 他の狼たちは、離れたところでおすわりをする。

「……どうなったの?」

 息をしていないように、びくりとも動かない。まるで、彫刻のように固まっている。

「封印された」

 合図をした狼が、一歩前へ出た。

 ……しゃべった。

 目を丸くしていると、ほわんと姿を変えてその狼は人間の姿になった。イリヤくんだ。

 狼の子孫だと知ってはいたけど、いざ目の当たりにすると、やっぱり驚くし言葉が出てこない。

「……呪文弾(じゅもんだん)か」

 となりで腕を押さえるルキくんが、つぶやいた。

 呪文弾って、なんだろう?