俺の言うとおりにしてください、お嬢様。





「でもわたしって案外、大事なものを誰かにあげるタイプじゃなくて独り占めしたい子だったから……、
四つ葉のクローバーもあまり誰かにあげたことないかも」



うん、いつも自分だけのものってしてた。

だからわたしが四つ葉のクローバーを誰かに渡したのはハヤセが初めてかもしれない。



「そうなんですか。…では、エマお嬢様が渡す相手は特別ということですか?」


「そうっ!特別!四つ葉は幸せになれる証だもん!だから幸せを与えたいと思った人だね!」



それがハヤセだったのかな…?

あの日、この場所でハヤセに初めて会ったときに躊躇いなく渡していたから。


初めて優しい顔をして心配してくれたから、きっとわたしも何かを返したくなっちゃったんだね無意識に。



「ハヤセは特別!だからハヤセだってわたしなんかの執事になってくれたのかな」


「…私なんか、とは言わないでください。俺にとってエマお嬢様は何よりも特別で素敵な方なのです」



って言われると、恥ずかしいような嬉しいような…。

本当にそう言ってくれるのはあなただけだ。でも今は素直に受け取れるよ。