俺の言うとおりにしてください、お嬢様。





だけど中にはやっぱり完璧でない執事もいるもので。

他クラスのお嬢様だ。
その執事はおどおどビクビクしてるようなタイプ。



「昔から言ってるでしょう!ふーふーしてくれなきゃ私は飲めないって!」


「はい…っ、すみませんっ」


「あんたなんかを仕えるお嬢様なんか私だけなんだからねっ」


「はい…!ありがとうございます…!」



……え、そっち?


1周回って問題のない関係…?

ある意味釣り合いが取れてて、ふたりだけの絆とかがある関係…?

お嬢様はただ素直じゃない女の子ってだけのことだったのかな…。



「…でもいいなぁ」


「エマお嬢様…?」


「ううんっ!なんでも!このムニエルも美味しいよハヤセっ!」



“昔から”とか。

そーいうの、すごく憧れる。



「エマお嬢様、ソースが付いていますよ」


「んっ?あうっ」



テーブルに必ず備えられている布巾。

わたしが取るよりも先に手にして、しゃがむように覗き込んでくる。



「嘘でしょ~!?早瀬さんがあんなことしてる……!」


「ぜんぜん似合ってないしっ!アリサさんだったら納得なのに…!」



ふきふきと拭いてくれるハヤセがすっごい優しい顔をしてること。

それは向かい合ったわたしだけが知っているものだ。