「今夜は寝かすつもりありませんので。覚悟しておいてくださいね」


「うんっ!……えっ!?」


「今日はもう少し先に進んでみましょうか」



さ、先って…。

キス…?それともすごく深いキス…?
息も吸えないくらい激しいやつ…?


ううん、そのもっともっと先だっていう目をしてる……。



「えっ、やっ!わたしまだそーいうのよく分からなくてねっ」


「俺がぜんぶ教えてあげますのでご安心ください。それに、───前に言っただろ?俺が女にしてやるって」



そーいうことでもなくてっ!!

心臓持たないって!
そんなの気絶しちゃう!!だめだめっ!

エマはまだ高校生だもん!



「そ、そーいうのは結婚してからじゃなきゃだめなの…!」


「問題ありません。エマお嬢様が結婚するのは俺ですから」


「……えっ!?そーなの!?」


「はい」



はいって、この人ってどうして簡単に答えちゃうんだろう…。

執事って立場わかってる…?

でも学院長も手懐けてしまった彼には、きっとそんな質問は無意味だね。



「んっ…、」



くすっと笑ったハヤセは、余裕そうに甘いキスを落としてきた。



「俺の言うとおりにしてください、お嬢様。……な?」


「わわわわ…っ!!ズルいよハヤセっ!そう言えばいいって問題じゃないからっ!」



こんなわたし(俺)を扱えるのは、ハヤセ(エマお嬢様)だけ。


この先も、ずっとずっと───。