俺の言うとおりにしてください、お嬢様。

早乙女side




「…はっや」


「エマお嬢様の様子は、」


「今は少し落ち着いて寝たとこ」



スポーツドリンクに口当たりのいいもの、冷えピタを購入した袋をぶら下げてソッコー来た男がひとり。


“エマが熱ナリ、必要材料を買って至急来たれよ”


なんておどけたメールをしてから10分も経ってない朝の5時半。

そんな光の速さに俺も動揺を隠せられなかった。


こいつって暇なの?って。



「熱はいつからだ」


「なんで俺があんたのメアド知ってんだよって気にならない?」


「んなことはどうでもいい」



休日のこの時間でもタキシード姿って、この男ってもしかして産まれた瞬間からその格好だったりしたの?

型崩れなんか一切してないし、明らかに走って来たはずなのに汗ひとつかいてない。


まぁそーいうところがSランクなんだろう。

なんか尊敬するよ、そこは。



「いろいろ補習とかも毎日あったみたいだし、単純に無理しすぎたんだろうね。夜中から一気に上がった」


「…なんで夜中に呼ばねえんだよ」


「婚約者同士の夜中を邪魔してくるなんて不躾だねぇSランク」



あ、すっごい睨まれた。