俺の言うとおりにしてください、お嬢様。





捨てた───…。


やっぱり第三者から見るとそういうふうに見えちゃうんだ…。

約束を破られたとか、そうじゃなくて。

もっとバッサリ言うならば確かに“捨てた”ってこと。


秀才なお姉ちゃんを選んで、問題児のわたしを簡単に捨てたのだ。



「喧嘩はやめましょう真冬くん。せっかくの食事が楽しくなくなってしまうわ」



お姉ちゃんはハヤセの手を握るように、スッと重ねて止めた。

それすらもわたしがちょうど見えるところにあって、喧嘩よりもこっちのほうが楽しくも美味しくもなくなるのに…。



「失礼いたしました。…アリサ様、場所を移動しませんか?」


「えぇ?ここは陽も当たるし暖かいわ。それに私もエマちゃんと一緒に食べたいもの」


「…そうですか。申し訳ございません」



なんで移動しようとするの…。
ズルいよハヤセ、逃げるなよハヤセ。

って思うけど、わたしのほうがこんなの勘弁して欲しい。



「早乙女!わたしたちが向こうに行こうっ」


「え?俺たちが最初に座ったのに?」


「うんっ!あっちのほうが景色いいもん!」


「…わかりました。行きましょうか、わがままで可愛いお嬢様」