「久しぶり、Sランク執事さん」
「…どういう風の吹き回しだ」
「さぁ?でももう早瀬さんには関係ないだろ」
“早瀬さん”
まさか早乙女がそんな呼び方をするなんてびっくりだ。
でも一応は執事の世界では上の位に値する人だから、敬ってはいるのだろう。
だからハヤセもハヤセで執事同士の会話としてタメ口に変わってる。
「関係なくない。エマお嬢様は俺が仕えていたお嬢様だ。
それにお前に無下に扱われてるところを俺は近くで見ていた」
「うん、だから俺はこうして忠誠を尽くしてるんだろ。お詫びの気持ちもあるから」
「それで消えるわけねえだろ。お前がエマお嬢様に対してどんなひどい言葉を言ったと思ってんだよ」
こうしてハヤセと顔を合わせたのは、あの抱きしめられた日以来だ。
最近はお姉ちゃんの具合があまりよろしくないようで学校を少し休んだりしてたっぽいから…。
そして彼は未だに早乙女のことを良く思ってはいないようで、かなり乱暴ハヤセが降臨していた。
「確かにそれは事実だから許してもらえるとも思ってない。
…だけどあんただって簡単に捨てただろ」
早乙女の低い声と珍しいほどの鋭い目付きに、ハヤセは微かに目を見開いた。



