それは7月初旬に毎年開催されるイベントのようなものだ。

もちろんわたしは去年も参加したけど、ハヤセと出会う前の行事だったから親睦の薄い執事とだった。


あまり覚えてはないけど、その出来事が1人の執事が辞めちゃう理由になったような気がする…。



「え、またおかわり?3杯目だけど」


「いーの美味しいからっ!なにか文句ある!?」


「ふっ、いいえ?ありませんよお嬢様」



それから早乙女 燐は本当にわたしの執事になっちゃったみたいで。

周りのBランク止まりの下級執事どもよりなぜか実力もあって、ぜんぜん成り立ってしまっていた。


今も食堂では淡々とわたしの執事として動いてくれてる。



「ごきげんようエマちゃん」


「あ、お姉ちゃん…」



そして来た。

呼んでないのに登場してしまった実の姉。



「執事が変わったって聞いたわ。今度は若い方なのね」


「う、うん…」



本当に覚えてないんだ…。

もし覚えてたら少なくともお姉ちゃんの婚約者だったから表情が変わるはずだけど。


それは本当に初対面の人を見る反応をしていた。