離さない、離したくない。
だからハヤセもずっとずっとこうしてて。
お姉ちゃんのほうになんか行かないで、ここにいて。
でもそんなこと言えないから、ぎゅっと固く閉じた目と同じくらいに抱きつくしかできなくてもどかしい。
「お姉ちゃんとも…こういうこと、してるの……?」
「…どうでしょうね」
嫌だよそんなの…。
そんなのお姉ちゃんだとしてもお姉ちゃんじゃなかったとしても嫌。
ぶわっと溢れた涙を黒いタキシードで拭う動きをさせると、後頭部に回された手がくいっと引き寄せてくる。
「あ…っ、」
熱い吐息に思わずピクッと身体が反応してしまった。
そこから何を言われるだろうと。
聞きたくて、怖くて、でも聞きたくて。
「エマお嬢様───…いいかげん認めろよ、」
「っ……、」
嘆くように伝えられた耳元。
そのタイミングで遠くから聞こえるお姉ちゃんの呼ぶ声に身体を離し、背を向けて去って行った。
胸が苦しい……胸が痛い…。
「わたしもそろそろ帰らなきゃ…。暗くなっちゃう……」
今日の居残り分は誰かさんのおかげで早く片付けれたのに、どーしてこんなにのんびりしちゃってたの。
なにしてたのわたし……。
───…なに……してたの………!?!?



