そんなの…どっちもハヤセだもん。
執事としての優しくて甘くて、たまに意地悪なハヤセもハヤセ。
だけどちょっとだけ乱暴で余裕が無くて、俺様なハヤセもハヤセ。
「エマ、俺のこと……好きなのか?」
「っ…!」
好きって、どういう意味…?
それこそ執事に対してお嬢様が持つようなごく一般的な好き…?
信頼感とか友情とか、そーいうものに似ている関係が執事とお嬢様だ。
でもわたしは、わたしは───…
「っ、」
「…エマ、言えよ」
お姉ちゃんの許嫁なんか嫌だ。
お姉ちゃんがハヤセの名前を嬉しそうに呼んでいたのだって嫌だ。
胸が痛くて苦しくて、今だってもっともっと壊れちゃうくらい触って欲しいって思ってる…。
でもわたしは、ここで言っちゃったら止まれなくなって爆発しちゃうかもしれない。
「ハヤセ、…ハヤセ、」
必殺技だ、これは。
わたしのズルい、ズルーい必殺技。
こうやってすがって、ハヤセの袖をきゅっと掴んで、わかって?って見つめる。
「…言わねえんなら、言わせる」
「わぁ…っ!」



