俺の言うとおりにしてください、お嬢様。





普通……?
普通って、なに…?

それはあなたがいちばん知っているはずです、と目の前にある彼の目から伝わってくる。



「ファミレスに行って回転寿司に行って、他愛ない話をする。
野良猫にご飯をあげて、公園でサッカーをして、…四つ葉のクローバーを探すような」



そんな、普通───。


それはわたしがハヤセと出会ってから過ごしてきた日常だ。

そしてわたしが何よりも憧れていた生活。

ここに、わたしと同じ気持ちだった人がいるんだ…。



「俺に幸せを与えてくれるのは…いつだってあなたなんです」



そう言って内ポケットから大切そうに取り出したクリスタルキーホルダーは、3つに増えていた。

そのどれにも四つ葉のクローバーが埋め込まれていて。



「結婚なんかしないでください。…俺は、」


「は、ハヤセ、執事がそんなこと言っちゃ…だめだよ、」



その言葉がだめだった……?

その言葉が、あなたの中にある何かの糸を簡単にプツリと切らせてしまった…?



「ハヤセ…っ」



そのまま背中ごと倒されて、ダイニングテーブルに同じように覆い被さってくる。