俺の言うとおりにしてください、お嬢様。





正しくは“しなきゃだめ”なんだって。

もうそれしか道がないんだって、だってお姉ちゃんはわたしと他人になっちゃったんだもん…。


わたしね、初めてお父さんに期待されたんだよ今日。

“そこだけは”って強調されちゃってたけど、でもあんなの初めてだった。



「…どういう…こと、ですか」


「後遺症の記憶障害で、いろいろ忘れちゃってて、」



伝わってるでしょ…?

あなたはいつも誰よりも察しが良い執事で、誰よりもできた執事だから。

こんなわたしの大雑把な説明でも分かるよね。



「だからお姉ちゃんの代わりに柊と早乙女を繋げなくちゃ…」



もしかしてお姉ちゃんはずっとこんな苦しみを味わっていて。

自由に生きていたわたしを憎んで恨んで妬んでいたのかもしれない。


そりゃそうだ、だって子供を産むだけの道具としか思っていない男との結婚なんだもん。

今までわたしが自由に生きていた分、今度はお姉ちゃんが自由になる番だ。



「頑張るよ、ハヤセ。わたし……がんばる、」



なにを頑張ればいいの。
他にいっぱい聞きたいことだってあるのに。

ハヤセとお姉ちゃんが許嫁とかすっごい嫌だ…。