エイミー「じゃあ、おしゃれのお話はここまでにして、今度は家族に仕えていた使用人について話そうかな」

琥白「何で急に使用人の話になるんだよ?」

エイミー「おしゃれの話をしたけど、おしゃれを楽しめたのは一部のお金持ちの人たちだけだからね。そんな彼らの生活には使用人が必要だったの。身の回りのことをほとんど全部任せていたからね」

蓮「使用人ということは、メイドや執事かぁ〜」

美桜「文化祭の時に、メイド喫茶を出し物でするクラスってあるよね!可愛いメイド服やかっこいい執事の服を着て、一回してみたいかも」

蓮「美桜ちゃん、絶対可愛いよ!見せたくなくなっちゃうくらい」

美桜「それを言うなら蓮くんだって、絶対かっこいい……から……」

琥白「また出たよ、バカップル〜!」

エイミー「えっと、可愛いメイド服を想像していたと思う美桜さん、残念ながら本当のメイドさんの衣装は汚れてもいいものだから可愛くはないよ」

美桜「えっ、そうなの?」

エイミー「メイドというのは裏方の仕事。洗濯とか掃除とかするのに、可愛い服を着ていたら仕事にならないでしょ。黒タイツは履くことがあったみたいだけど、あれはおしゃれじゃなくて朝にできた傷を隠すために履かれていたんだよ」

琥白「ん?じゃあ、汚れた格好のまま主人を出迎えてたのか?「お帰りなさいませ、ご主人様」って」

エイミー「それも間違い。さっきも言ったように、メイドは裏方の仕事。だから基本的には主人の前に出ないし、話しかけるのはよくないこととされていたの。だから、本当のメイドさんとは基本的に関わりは持てないんだ」

蓮「えっ、じゃあケチャップで絵を描いたり、おまじないをかけてくれたりはしないんだ」

エイミー「しないね」

氷翠「なら、給仕とかは誰がしていたの?」

エイミー「フットマンっていうメイドさん同様様々な仕事をする男性使用人、執事、時代が進むとパーラーメイドもあるかな」

氷翠「パーラーメイド?」

エイミー「時代が進むと、主人や客人の給仕を行う接客中心のメイドさんが誕生したよ。これがパーラーメイド。表に出るから美人が多くて、可愛い服を着て優雅に振る舞ったんだ」