どことなく開き直ったように言葉を発する柊璃くん。この道は街灯が少なくて、柊璃くんの表情も見えづらい。







それから、心釉ちゃんとは幼稚園からの仲だとか、心釉ちゃんとの思い出話だとか、心釉ちゃん満載の会話を交わした。





好きな人の好きな人の話を聞くなんて……




とも思ったけど、これで柊璃くんの気持ちがほんの少しでも軽くなるならそれでもいいと思った。






「笑顔が可愛くて、」





うん、やっぱり耳塞ぎたいな?









「―――もう心釉の事は大丈夫です、告白しなかった俺が悪いんだし。
桃子さんに聞いてもらって気持ちの整理がつきました。

でも部活、いつもより集中出来なくて。どうしたらいいかって聞こうと思ってたんですけど」





「え、そうかな?
表情も変わりなかったし、タイムから見てもいつも通り調子良かったけどな」




「表情とか、そんなとこまで見てたんですね」




「っマネージャーなので!」






マネージャーの鑑ですね、なんて笑って言う柊璃くんに胸を撫で下ろす。






いや、嘘はついてないんです。選手は皆平等に見ているつもりです。










柊璃くんにはそこに少し、恋が入っているだけで。