理由を話すつもりは無い。


そういう決まりだから、私にはもうどうしようも無いし、


これ以外、為す術が無いのだ。





――しばし無言の時間が流れ、辺りが茜色に染まってぼんやり暗くなってくる頃、
まるで意味がわかっていない奏多を無視して早口で伝える。



「ごめんね奏多、何も聞かずに三日間だけ別れてほしいの。
朝も一緒に学校行けないし、ぎゅーもしない。…もっと言うと、他人みたいになってほしい。

本当にごめんなさい、さよなら!」




奏多が何か言いたそうに口を開いたけど、気付かないふりをして背を向けて家に入った。



―――私がこんなこと奏多にされたら怒るに決まってる。泣いてしまう。


…もしかしたら、嫌われてしまうかもしれない。



数分前のワガママな言動に、玄関にしゃがみこんで自己嫌悪。





その日はあんまり眠れなかった。