「大学の先輩でね、大和と仕事をしてる人がいるの」
「それって……“虹磨さん”って人?」
「え、どうしてわかったの?」
要くんとのこれまでの会話で何度か虹磨さんの名前を出した記憶はあるけれど、どうでもいい話ばかりだったし、彼が名前を憶えているのは驚きだった。
「美和ちゃんと話してるとき、必ずと言っていいほどその人からメッセージが来るよね。仲いいんでしょ?」
「メッセージはたまたまだよ。仲は悪くはないけど……」
私はあははと苦笑いの笑みをたたえたが、要くんは不機嫌そうに顔をしかめた。
「あのさ、俺、二股されるのは嫌なんだよね。許せないんだ」
「二股?! してないしてない!」
「もういいよ。その“虹磨さん”って人と付き合えばいいじゃん」
どうして私が好きになる男性は、私の話をちゃんと聞いてくれないのだろう。
虹磨さんとはなんでもないと、何度言っても伝わらない。まさかそれが、大学を卒業したあとも続くとは。
それがショックで頭がクラクラする。
こうして、要くんとの恋も短く終わってしまった。
「それって……“虹磨さん”って人?」
「え、どうしてわかったの?」
要くんとのこれまでの会話で何度か虹磨さんの名前を出した記憶はあるけれど、どうでもいい話ばかりだったし、彼が名前を憶えているのは驚きだった。
「美和ちゃんと話してるとき、必ずと言っていいほどその人からメッセージが来るよね。仲いいんでしょ?」
「メッセージはたまたまだよ。仲は悪くはないけど……」
私はあははと苦笑いの笑みをたたえたが、要くんは不機嫌そうに顔をしかめた。
「あのさ、俺、二股されるのは嫌なんだよね。許せないんだ」
「二股?! してないしてない!」
「もういいよ。その“虹磨さん”って人と付き合えばいいじゃん」
どうして私が好きになる男性は、私の話をちゃんと聞いてくれないのだろう。
虹磨さんとはなんでもないと、何度言っても伝わらない。まさかそれが、大学を卒業したあとも続くとは。
それがショックで頭がクラクラする。
こうして、要くんとの恋も短く終わってしまった。



