話し出すと、言わなくてもいいことまでペラペラと喋ってしまうのは私の悪い癖だ。
 それにはたと気づき、最後は中途半端に言葉を止めた。


「もうイケメンは嫌いか?」


 虹磨さんの妖艶な瞳が私を捕らえる。


「顔だけで言ったら、俺もそっちに入るだろ?」

「自分で言います?」

「ああ、自覚はある」


 そのとおりなので、なにも言い返せない。虹磨さんは自他共に認めるイケメンだ。


「人間、顔だけじゃダメなんだよ。中身が伴わないとな」


 気がついたら虹磨さんの綺麗な顔が至近距離に来ていた。

 私はもう、この絶対的な魅力を持つ人から離れられそうにない。


「虹磨さんは超イケメンですけど、顔だけじゃないです。包容力があって、仕事でも素晴らしくセンスがいいし……とにかく素敵です!」