肝心な部分だった。


西川さんの性格からして友人はそれほど多くなさそうだ。


そんな中でぬいぐるみの存在を知っているとしたら、B組の生徒である可能性が高い。


「でも、体育の授業は全員参加してたんだよな? それじゃ盗めないだろ?」


テツヤが眉を寄せてつぶやくように言う。


「そうだけど、体育の授業は男女で別々だ」


「もしかして、男子が盗んだと思ってるのか?」


ジュンイチの言葉にカツユキは驚いて目を丸くした。


テツヤもまばたきを繰り返している。


「その可能性もあるだろ? なにかの目的があって盗んだんだ」


なにかの目的ってなんだろう?


でもそれは犯人がわかれば直接聞き出すことができることだ。


「よし、そうとわかれば体育の授業中に見学していた男子がいないか、調べに行こう!」


テツヤは元気よく言って立ち上がったのだった。