ニナは今日も練習していたんだ。


きっと、朝から晩までずっと。


そう思うとこの音から逃げ出したい気持ちになった。


「でもこの演奏よりアサミの方が上手だよね」


「そうだよね。アサミはもう、吹奏楽部っていうレベルは追い越しているしね」


2人にそう言ってもらえて少しだけ気分がよくなる。


「いいから、もう帰ろうよ」


アサミはそう言い、2人を促して歩き出したのだった。