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練習を終えて音楽室に集合したとき、女性顧問の大木先生は少し険しい表情を浮かべて教卓の前に立った。


先生が話をしているときに私語はご法度で、アサミもサトコもニナもひとこともしゃべらなかった。


「次のコンクールだけど。正直今のままでは少し弱いかもしれない」


突然言われた言葉に3人の心臓はドクンッと大きく跳ねた。


3人にとっては中学最後のコンクール。


なんとしてでも強豪校を倒して最優秀賞を取りたいと願っていた。


「だから、今回はフルートのパートでソロを作ることにしたの」


楽譜に視線を落として大木先生が言った。


フルートでソロ!?


アサミは驚いて目を見開く。


サトコとニナも目を見開いて目配せをしてきた。


「ちょうど練習している楽曲もフルートが目立つものだから、いいと思って」


それはそうかもしれないけれど、突然ソロパートができると言われても頭が追いつかない。


それってつまり、フルート奏者の中のだれかひとりだけが目立つってことだよね?