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「アサミがうますぎるから焦ってるんだよ」


運ばれてきたパフェを食べてサトコが言う。


「うん……」


アサミは紅茶だけ注文したが、まだ口はつけておらずすっかりぬるくなってしまっていた。


「でもさ、あの言い方はないよね。せっかくアサミが誘ったのにさ」


ニナに突き放されたときのことを思い出す。


ショックだったけれど、それよりも心配が先だった。


ニナは自分のせいであんな風に無茶な練習を続けているんじゃないかと思ってしまう。


「アサミはアサミでちゃんと練習してるんだから、いいんじゃない?」


楽観的なサトコの言葉に少しだけ胸が軽くなる。


そう、私は私で練習している。


その成果が顕著に現れているだけだ。


「そうだよね」


アサミはふっと肩の力を抜いて微笑んだのだった。