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花壇に到着したとき、すでに4人の生徒たちが水やりをしに来ていた。


アサコはそっと近づいて「あの……」と、おずおずと声をかける。


「はい」


3年生と思われる女子生徒がアサミに気がついて手を止めた。


「えっと、委員会の人たちですよね?」


「そうですけど」


「あの、えっと、この前グラウンドで不思議な種を見つけたんです」


「種?」


「はい。虹色に光る種なんですけど、知ってますか?」


その質問に女子生徒は眉間にシワを寄せて首を傾げた。