あれはどういう名前の植物なんだろう?


昨日のあの不思議な現象が気になってしかたがないアサミは、次の日の昼休みに1人で図書室を訪れた。


ここなら色々な植物図鑑が揃っているし、あの珍しい種についても調べることができるはずだ。


スマホを持っている友人たちはなんでもかんでもすぐに調べてしまうけれど、それでは詳しい情報は手に入らないと思っている。


アサミは植物図鑑を3冊ほど持って長いテーブルに座った。


どれも分厚くて相当ページ数があるので、開く前に気合を入れるように大きく深呼吸をした。


それから何冊も何ページも確認してみたけれど、あの虹色に輝く種を見つけることはできなかった。


次の本を開こうとしたとき、昼休憩の終わりを告げるチャイムがなり始めて、アサミは大きく息を吐き出したのだった。