ドリンクがない自分たちは無力だ。


それを改めて感じさせられた。


「探偵団はもう……」


そう言いかけた時、勢いよく教室のドアが開いた。


駆け込んできたのは西川さんだ。


「探偵団のみんな! 助けてほしいの!」


普段おとなしい西川さんの切羽詰まった様子に3人は顔を見合わせる。


「でも、探偵団はもう」


言いかけるテツヤをジュンイチが手でせいした。


「話くらい聞いてもいいんじゃないか? 学校内の悩みなら解決できるかもしれない」


その言葉にテツヤは西川さんを見つめた。


西川さんは呼吸を整えて、そしてすがるような視線を3人へ向ける。


「園芸部でまた花壇荒らしが出たの!」


「また?」


カツユキが眉を寄せる。


「お願い、花壇荒らしを特定して園芸部を助けて!」


西川さんの言葉に3人は顔を見合わせた。


「まぁ、俺達にはこのくらいの仕事がちょうどいいかな」


「そうだな。なぁ決めるのはテツヤだぞ?」


2人から視線を向けられたテツヤは勢いよく席をたった。


そして胸を張る。


「もちろん。任せてくれよ、俺たち放課後探偵団に!」