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街はとても穏やかだった。


最近の3人の活躍もあり、悪いことを考えている人たちが少なくなってきたのかもしれない。


「あら、3人共今日も見回り?」


「いつもありがとうね。これクッキー。よかったら食べてね」


街を歩いているだけでそんなふうに声をかけてくれる人も増えてきた。


3人が見回りをしてくれるから安心できるという人もいる。


「やっぱり、どこにもドリンクがないな」


歩きながら自販機を確認していたジュンイチがつぶやく。


「もういいだろドリンクのことなんて」


テツヤがうんざりした様子で言った。


「だって、あれがないと俺たちはなにもできないだろ?」


「そんなことない。俺たちだからこそ、ここまでできたんだ」


テツヤは左右に首を振り、ジュンイチの言葉を否定した。


ジュンイチは驚いてテツヤとカツユキを交互に見つめるが、2人共自分の力を信じて疑っていない。


1人立ち尽くしてしまったジュンイチを置いて再びあるき出す。