「それならもう1度だけ走りを見せてくれないか? 1度だけでいいんだ。君たちの走りが他の陸上部の生徒たちの役に立つかもしれない。頼む!」


先生にそこまで頼み込まれると嫌とは言えなくなってしまった。


それに、2人もあの風をもう1度感じたいと思っていた。


「わかりました。1度だけですよ」


テツヤはそう答えたのだった。