その後も授業が終わるたびに日誌を取り出して、時間割の隣に授業内容を記入して行った。


こんなことをしてどうなるのかと思うくらい、つまらない作業だ。


こんなのそれぞれの先生にどこまで授業が進んだか質問をすれば終わることなのにと、本気で思っている。


休憩時間に入ったとき、ユウナは1人でトイレに立った。


最初の頃はトイレに誘う友達もいないことが嫌だったけれど、今ではなれてしまった。


思えば、トイレくらい1人で行けばいいんだ。


「カナちゃん、なにか面白い話知らないの?」


個室に入っているとき、そんな声が聞こえてきた。


「面白い話?」


「うん。カナちゃんって恐い話とか好きでしょう?」


「あぁ、そういう話ならいくらでもあるよ。どんな話が聞きたいの?」


知らない女の子たちの会話だったけれど、なんだか面白そうで耳を傾けた。


「あまり怖くない方がいいかな」


「それなら、『真実の電話』の都市伝説って知ってる?」


「真実の電話?」


ユウナも聞いたことのない話で、個室の中で続きを催促したい気分になった。