「テレビを見ながら手伝うからそんなことになるのよ」


シチューの味見をしていた母親が呆れた声を出す。


「割れなかったからいいじゃん」


お父さんの茶碗を拾い上げてテーブルに置く。


「そういう問題じゃないでしょ。そんなんじゃいつかきっと困ることになるわよ。なにかひとつくらい本気でやってみないと」


「やってるよ。本気でテレビを見てたのにそれを邪魔してきたのはお母さんでしょう?」


ユウナはそう言い返して、再びテレビの前に座ったのだった。