ユウナはトイレで数学の答案用紙をビリビリに引き裂いて、ゴミ箱に捨てた。


こんな点数の答案用紙持って帰ることなんてできないし。


しばらくそのまま時間を潰してからB組の組の教室へと戻った。


教室に入った瞬間クラスメートたちからの視線が突き刺さる。


中にはあからさまに「バカ」とか「アホ」という声が聞こえてきた。


それらを無視して自分の机に向かうと、机の横にかけてあったはずのカバンが机の上に置かれていた。


嫌な予感がしてカバンを確認してみると、それには踏み潰された靴跡がクッキリと残っていた。


ユウナは自分の胸の中に黒い感情が湧き上がってくるのを感じながら、ハンカチでその靴跡をふいたのだった。