次の休みは肝試しか、楽しみだなぁ。


両親が寝た後でこっそり家を出るから気が付かれないようにしないと。


そうだ! 2階の部屋の窓から外へ出よう。


昼間の内に脚立と靴を部屋の中に隠しておけば、あとはこっそり抜け出すだけだ。


その日の帰り道ユキコは肝試しのことを考えてすでに楽しい気分になっていた。


男子たちでも幽霊を見ることはできていないのだ。


女子である私たちが幽霊の写真を撮影してきたなんて言えば、きっと大きな騒ぎになるだろう。


想像するだけで楽しくなってきてしまう。


鼻歌まじりに通学路を歩いてりると右手に見慣れぬお店が建っているのが視界に入った。


それは少し大きなプレハブ小屋のような見た目をしていて、入り口の前に中古ショップという手書き看板が立てられている。


あれ? こんなお店あったっけ?


毎日のようにこの道を歩いているけれど、昨日まではなかった気がする。


ユキコは足を止めてガラスの扉から店内へ視線を向けた。


それほど広くはない店内には棚が並べられていて、所狭しと商品が置かれている。


ここから見えるのはおもちゃやフィギュアが置かれている棚だった。


チラリと見えた値札はフィギュアが一体10円だった。


安い!


もしかしたらあのフィギュアは人気がなくてここまで安くなってしまったのかもしれない。


それにしても、破格だ。