『はい、どちらさまですか?』


しばらく待っていると品のいい女性の声が聞こえてきて緊張が走った。


ユキコとユリはカメラに自分の顔を向けて『私たち恐怖小学校の卒業生です。マヤさんはいらっしゃいますか?』と訪ねた。


緊張で声が少し震えてしまう。


『少し待っていてね』


女性の声がそう行ったあと、門柱の間にある扉が自動で左右に開いていった。


「これって、入っていいよってことだよね?」


「そうだと思う」


2人で確認し合いながら広い日本庭園へと足を踏み入れる。


その瞬間後方で門が閉まっていく音がして、同時に振り向いた。


さっき開いたばかりの門がすでに閉じられていく。


それを見ているとなぜか心の中がザワついた。


このまま二度と外には出られないんじゃないかという恐怖が湧き上がってくる。


「ユキコ大丈夫?」


そう質問してきたユリだって青い顔をしている。


ここまできたんだから、もう後戻りはできない。


「大丈夫だよ、行こう」


ユキコはそう言って、ユリと共に歩き始めたのだった。