「ユキコ、荷物が届いてるわよ」


玄関を開ける音とほぼ同時にそう言われ、ユキコは慌てて階段を下りていった。


「荷物?」


「えぇ。ちょうど宅配屋さんが来てたのよ」


そう言いながら小ぶりが段ボール箱を手渡されてユキコは首を傾げた。


ダンボールには直接マジックでユキコの住所と名前が書かれていて、相手の名前は書かれていない。


荷物を注文した覚えはないけど、一体なにが入っているんだろう?


疑問を感じつつ、自室へ戻ってガムテープを引きはがす。


ダンボールの箱を開けた次の瞬間、悲鳴がほとばしっていた。


その悲鳴が自分のものだと気がつくまでにしばらく時間が必要だったし、混乱したためテーブルに置いたダンボール箱を落としてしまっていた。


中に入っていたカメラが落下の拍子にシャッターを押す。


カシャッカシャッ!


立て続けに聞こえてきたシャッター音にユキコは部屋の隅まで走って身を屈めた。


なんで、どうしてカメラがここに!?


落とし物として届けたカメラはたしかに鍵付きのロッカーに入れられた。


それをユキコもユリも見ているのだ。