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これでもう大丈夫なはずだ。


カメラは先生に預けたし、写真は塩と一緒に保管してある。


本当はもっと適した方法があるかもしれないから、それもちゃんと調べておこう。


ユキコは1人で帰宅中も気を抜かないように注意しながら帰路を歩いた。


いつ、どこにあの白い服の少女がいるかわからない。


あの電柱の影に、あの空き地の壁の向こうにいるかもしれないのだ。


警戒を緩めないまま自宅まで戻ってきたユキコはようやく大きく息を吐き出した。


緊張しすぎてつい呼吸をすることも忘れていたくらいなのだ。


「あぁ、苦しかった」


そう呟きつつ玄関を鍵を開けて家に入る。


両親はまだ仕事中で誰も戻ってきていない。


1人で家にいると変なことばかり考えてしまいそうなので、すぐにテレビを付けてリビングで宿題をすることにした。


宿題に集中しているとあっという間に時間が過ぎていって、気がつくと炊飯器のスイッチを入れないといけない時間になっていた。


ご飯を炊いて洗濯物を取り込むために2階のベランダへ向かったとき、丁度母親が帰ってくる音がした。


ベランダから駐車場を除くと白い系の車から母親が下りてくるところだった。