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その日は不思議とグッスリ眠ることができた。


きもだめしをした当日は興奮してしまって朝まで寝付くことができなかったから、その分も爆睡した気分だ。


とてもスッキリとした気分でカバン片手に家を出る。


「いってきまぁす!」


と、リビングへ向けて元気に挨拶をして玄関を開けたその途端、ユキコは足を止めていた。


玄関先にあるソレをジッと見つめてみるみる内に青ざめていく。


そこにあったのは昨日捨てたポラロイドカメラだったのだ。


「なんで……?」


震える声で呟く。


呆然と立ち尽くしてしまって動くことができない。


一瞬で白い服の少女の顔を思い出してしまって強く身震いをする。


落ち着いて、幽霊なんかじゃないから。


自分自身にそう言い聞かせる。