「ねぇユキコ、そのカメラはもう捨てたほうがいいよ」


「そ、そうかな?」


ひと目で気に入って購入したカメラを捨てるのは気がひける。


けれどこれからも怪奇現象が起きるようなら、もう手元に持っているわけにはいかなかった。


500円だったし、お目当てのものは撮影できたことで、手放す決意もついた。


「結局あの写真の少女についてはわからないままだけど、仕方ないよね」


2人で近くのゴミ捨て場にやってきて、ユリが呟く。


「うん。もうやめよう。本当に怖くなってきちゃったし」


ユキコはそう言って、ゴミ捨て場のボックスにカメラを投げ込んだのだった。