「どういうことなんだろう」


考えてみればみるほどわからなくてうめき声をあげたとき、不意にカシャッ! と言う音が部屋の中に響いていた。


「今の音なに?」


ユリがビクリと肩を震わせて聞く。


「え、どうして?」


音の正体がすぐにわかったユキコは首をかしげて本棚へと近づいた。


その上に置いてあったポラロイドカメラを手に取る。


誰も触れていないのにシャッターが下りて写真が出てきているのだ。


カメラをテーブルの上に起き、出てきた写真を確認する。


「古いカメラだから、ちょっと動作がおかしいのかも」


説明している内に徐々に室内の様子を映し出した写真が出てきた。


そこにはテーブルに座っている2人の姿がある。


「なんてことない写真だよ。あの女の子も映ってない」


怯えているユリにユキコはそう説明をした。


「よかった」


ユリがホッと息を吐き出したその瞬間だった。


カシャッカシャッカシャッ!


と、立て続けにシャッターが下りて次々と写真が出てきたのだ。


「キャア!!」


思わず叫び声をあげて部屋の隅まで逃げるユリ。


ユキコの背中にも冷や汗が流れていた。