次はキッチンだ。


「このキッチンすげーよな。こんなの普通の家では見たことないぜ」


男子が興奮した様子で言う。


それには同感だったのでユリとユキコも頷いた。


でも、この写真にもなにも写っていない。


「でも、なにも写ってないね」


不服そうに言うユキコに男子が肩を叩く。


「心霊写真なんてそう簡単には撮れないだろ。でもこれでお前らがあそこに行ったって証拠にはなる」


それはそうだけれど、証拠として撮影したわけじゃなかったのでやっぱりユキコには不満が残った。


続いて3枚目、4枚目と確認していくけれど、やっぱり心霊写真は撮れていなかった。


落胆しそうになったとき「これなんだ?」と、男子が1枚の写真を指差して言った。


それは最初に確認したリビングの写真で、特に変なところはなかったずだ。


「ほらここ。部屋の入口あたりに誰か立ってないか?」


そう言われてよく確認してみると、たしかにそこに白い服を来た女の子が写っているのが見えた。


すぐに気が付かなかったのは、写真全体が暗く写っていたからだ。


「すごい、これ本物の心霊写真だよ!」


ユリが興奮したように大きな声をあげて、他のクラスメートたちまで集まってきてしまった。