翌日C組の教室へ入ると男子たちが近づいてきた。


「お前ら、本当に昨日きもだめしに行ったのかよ?」


その言葉は半信半疑な響きがした。


「行ったよ。ねぇユリ?」


「うん」


「でもなにもなかっただろう?」


「それは、そうだけど……」


ユキコはそう答えてから写真を撮影したことを思い出した。


「ちょっと待って、私達写真を撮影してきたの」


カバンの中からポラロイドカメラで撮影した写真を取り出し、机の上に並べて行った。


「なんだこれ、どれも暗い写真だな」


「そういう機械で撮影したの」


説明するのが面倒でユキコはそう答えておいた。


1枚めはリビングの写真。


噂ではあの洋館の母親はここで首を吊って死んでいた。


しかし写真にはなにも写っていなかった。


一番なにかが映り込みそうだと思っていた場所だったから、少し拍子抜けしてしまう。