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2度目に真実の電話を見つけるのは以外にも簡単なことだった。


夜遅くなてからこっそり家を抜け出して最終のバスで山の麓まで来た。


あとはこの前の休日と同じように地図と方位磁石を片手に、電話ボックスを探した。


都市伝説にありがちな1度たどり着いた後は二度とたどり着けないとか、電話ボックスそのものが移動してしまっているとか、そういうこともなかった。


拍子抜けしてしまうくらいあっさりそこにたどり着いて、ユウナは緊張が解けていくのを感じた。


周囲はとっくに真っ暗で、月明かりすら届かない。


遠くから狼の鳴き声が聞こえてきて、近くでは小動物が逃げていく足音もする。


だけどユウナは気にならなかった。


この電話を使えば自分の人生はすべて上手くいく。


そんな風に考えるようになっていた。


元に今日だって面白いくらいに宿題が解けたのだ。


この真実の電話のおかげで、自分はようやく本来の力を発揮できるようになった。


ユウナは電話ボックスのドアに手をかける。


するとそれは前回同様にすぐに開いてくれた。


中に入り、お金を入れずに受話器を上げる。


「サエの秘密が知りたい」