「いま……、まだ3時前じゃん。

どしたの……慣れないし寝れない?」



「ううん……ちょっと目が覚めちゃって。

喉渇いたから、お水だけもらいに行こうと思ったんだけど、」



「ん、そっか……ひとりで行ける……?」



「うん、大丈夫」



グラスとか適当に使っていいよ、と。

言えば彼女はするりとベッドからおりて、部屋を出ていく。それを視線で追ってからふあっと欠伸して、ぼんやりしながらはなびを待つ。



「ねむ……、」



俺がまた寝落ちるのが早いか、はなびがもどってくるのが早いか。

危ういところではなびが帰ってきて、ベッドに入ったはなびを抱き寄せた。




「……まださすがに早いから寝てな」



「うん」



きゅ、と俺の服を握るはなび。

彼女が目を閉じたのを見て俺も目を閉じれば、自然に眠りの中へと引きずり込まれる。



次に目が覚めたのは。



「おにーちゃん、あさだよー」



「ん……? うん……」



いつもと変わらず、

すみれが起こしに来てくれた時だった。