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翌日、13時。
扉を開ければ昨日ぶりの愛しいお姫様の姿があって、頬をゆるめつつ「おはよ」と家に招き入れる。……もう13時だからおはようはおかしいんだっけ?
「え、と……お邪魔します」
「どーぞ。大したもんとかねえけど」
「とりあえず課題やろうねって言ってたから、持ってきたけど……
あ、そうそう。これお菓子とジュース」
コンビニに立ち寄って、わざわざお菓子を買ってきてくれたらしい。
お礼を言って受け取りリビングに彼女を通すと、スケッチブックにクレヨンで絵を描いていたすみれが、顔を上げる。
「すみれちゃん、はじめまして」
案外子ども慣れしてるのか、先に声をかけたのははなびで。
いますみれが髪にとめているピン留めははなびが選んでくれたもの。それをはなびが似合ってると褒めるだけで、すみれはえへへと頬を綻ばせた。
……かわいい彼女とかわいい妹がすげえかわいい笑顔なんですけど。
写真撮ってロック画面にしていい?何ならスマホの壁紙にとどまらずアイコンにまで使いたいレベルなんだけど?え?写真撮っていい?
「……壁紙くらいなら、いいけど、」
「え、まじで?
……って、俺もしかして口に出してた?」
「うん。すごくダダ漏れだった」
……口に出せる欲望でよかった。
なんてばかみたいなことを思いながらもちゃっかりスマホを出して、かわいいふたりを画像に収めておく。
父さんは昨日から仕事で泊まってていないし、今日は夕方母さんが帰ってくるまですみれだけ。
たまり場に行けないと言った俺に「迷惑じゃなかったら遊びに行っていい?」とはなびが聞いてきたのは昨日のことだ。
もちろん返事は「いいよ」の一言で。
午前中は部屋の片付けをしたいからと言っていたはなびに合わせて、午後から会うことにした。



