「……俺、
明日から1週間ぐらいたまり場行けないんだけど」
『え、』
「お盆の手前まで、母さんはパートあるし父さんも仕事だから。
特に父さんの予定は急に変わったりするし、すみれの面倒見るって約束してたから行けねえんだわ。だからたまり場行くならほかのヤツと行ってほしくてさ」
俺とはなびが夏休みに多くデートできない理由はこれだった。
お盆休みが終われば約束していた家族旅行に、1泊2日だけど行くことにもなってるし。どれだけ予定を詰めても、会える回数は限られてくる。
「でも俺、もう大丈夫そうだから」
『……ほんとに?』
「ん。なんか……
いまの聞いたら、嘘みたいに安心した」
好きと言われたわけじゃないのに、どうしてか満たされる。
……俺らの間には、やっぱり、言葉が足りない。
「信じてるから、大丈夫だよ」
伝えれば、はなびも電話の向こうで安心したように笑ってくれるから。
お互いに「ごめん」を言い合って、喧嘩していたわけじゃないけれど仲直り。それからすこし話をしてから、電話を終えた。
大丈夫だ。たとえ相手が初恋の相手だろうと元彼だろうと王子様だろうと。
はなびが今俺を好きになろうとしてくれている事実があれば、俺はめげずにはなびを好きでいられる。
たとえ。
「……邪魔なものは、排除しておかないとね」
誰かが俺らを引き裂こうと、していたとしても。



