……はあ!?
ばったり会った、まではまだわかる。理解できる。なんでファミレス?
っていうかなんでパフェ半分ことかしてんんだよ……!
俺だってできることならはなびとパフェの半分こぐらいしたい、じゃなかった、はあ!?
「いやいやいやいや、どういう展開だよ。
っていうか普通に考えて俺のこと呼べよこら」
「美女との食事を邪魔する気ですか、椿クン」
「美女の代わりはいても俺の好きな子はひとりなの。
シイちゃん、それをおわかり?」
「うっわ、シイちゃんって……きもちわる」
「なんだろう今すげえイライラする……っ!」
俺の叫ぶような声も、飛行機内の騒がしいBGMにかき消される。
それにまたけらけらと笑ったシイを本気で睨んでみるも、何事もなかったかのようにケロっとしているせいで、とてつもなく腑に落ちない。
「俺だってはなびとイチャイチャしたい……」
「いや、俺べつにあの子とイチャイチャしてないからね」
「パフェ半分こなんて、
どう考えてもイチャついてるとしか思えない」
「へえ。椿の中で"パフェ半分こ"はイチャイチャの分類なんだ?
ふふっ、案外そういうとこ乙女だよね、椿クン」
「単位足りなくてお前だけ留年すれば良いのに」
さらっと腹黒い魔王様こと、珠紀も珠紀だけど。
なんていうか、明らかに人の嫌なところばかり狙って的確に突いてくるシイのほうがタチ悪い。……乙女思考で悪かったな。



