荻野先輩と君島くんが仲いいから、その繋がりでこはちゃんも荻野先輩の事を知っている。
そういえば、クラスメイトの女の子に「秋元先輩と荻野先輩、どっちが好き!?」って聞かれたことがあったなぁ。
この学校のツートップイケメンと言われてるだけあって、告白する子が後を絶えない。
秋元先輩は、どれも興味ないとバッサリ切り捨てているらしい。よ、容赦ない!
荻野先輩も「俺は彼女一筋だ」と言って、すべて断ってるって言ってた。
そんな荻野先輩が私たちに対して、穏やかな笑みを向けてきた。
「2人とも、学校で会うのは久しぶりだな。ここで何してるんだ?」
「今、君島くんを待っているんです。先輩は?」
「俺も瞳を待っている。
よかったら、一緒に待っててもいいかな?」
「もちろんです!」
「ありがとう、」
先輩はフッと微笑むと、私の横に並ぶ。
うわぁ、やっぱり足なっがい!
隣の荻野先輩をじっと見ていると、
後ろからものすごく突き刺さるような視線を感じた。
不思議に思って振り向くと、秋元先輩がいた。
……とてつもなく怖い顔をして。
な、なんか凄い睨まれてない!?
えっ、なんで?
私、何か怒らせるようなことした?
まったくと言っていいほど身に覚えがない。
「どうした秋元、そんなに怖い顔をして」
特に動じることはなく、飄々とした様子で荻野先輩が言った。
すると、秋元先輩の眼光がますます鋭くなる。
あ、この2人は仲が悪いんだっけ。
噂で聞いたことがある。
秋元先輩が一方的に嫌ってるみたいだけど……


